ストレスが引き起こす過敏性腸症候群

投稿者: | 2016年3月25日

「あっ、マズイ…」と通勤電車の中で、急にお腹が刺し込んで、途中下車してトイレに駆け込むようなことを何度か経験している人は多いのではないでしょうか。

テストや試験の当日の朝、大事なお客様へのプレゼンの直前など、緊張するようなケースで必ずお腹が痛くなる人もいます。

このような症状で下痢を繰り返す日々が続くようなら、それは「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」かもしれません。

この病気を抱えている人は、普段は、異常が感じられないで普通に生活出来ているはずなのに、あるストレスを感じる場面では、急にお腹が痛くなり、繰り返し激しい下痢に襲われてしまう、あるいは便秘になってしまいます。

実は、過敏性腸症候群には、男性に多い「下痢タイプ」、女性に多い「便秘タイプ」、「便秘と下痢を交互に繰り返すタイプ」の三つのタイプに分かれます。

この病気の原因はストレスによる自律神経のバランスの乱れで、結果、腸の痙攣を引き起こします。

実際、この過敏性腸症候群は、漢方が得意とする病気です。

漢方では、心と体を、ひとつのものとして捉え、下痢や便秘をただ抑えるのではなく、心身の状態をトータルに捉えた治療を行います。

腸の過剰な運動や緊張を沈めてくれる「芍薬(しゃくやく)」が多く使われますが、不安症の人にも「帰脾湯(きひとう)」や「刺五加(しごか、シベリア人参)」などが使われます。

食養生としては、ストレスを沈め平常心を取り戻すのに効果的な、ビタミン B1 が含まれるカツオやブリ、大豆製品や玄米を、またストレスへの耐性を強めるためには、ビタミン C や A が多く含まれる緑黄色野菜を、乱れた自律神経を整えるためにビタミン E が多いアボカドやカボチャをお勧めします。