5/21土曜日、東京朝日新聞社浜離宮朝日ホールにて、週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』の出版記念講演会に行ってきました。
【女性の健康と美】をテーマに講演があり、漢方(中医学)のアプローチについて分かり易く解説されていました。
参加者も、女性がほとんどで、健康と美肌に対する中医学アプローチへの関心が高いことが伺えます。講演会前後の漢方相談は、盛況で、多くの女性の真剣な相談に多くの薬剤師が対応していました。
最初に登壇された栗原先生(栗原クリニック 東京・日本橋 院長)のお話し、最近流行りの低糖質+運動(筋トレ)が重要とのことで、日本の女性は、糖質をかなり多く摂り過ぎているという報告もあり、うどん県の住民としては、耳の痛い内容でもありました(笑)。ただ女性には嬉しいトピックスも!実は、低糖質という点では、塩せんべいよりも、チョコレートの方がお勧めだそうです。(蕎麦よりもステーキの方が良いみたい!~糖質の観点から・・・)
もちろん糖質といっても、食べ過ぎなければ、全く問題ないわけで、血管力を高めて、老化を防ぎ、健康と美肌を維持するという点で、低糖質と運動が良いというお話しでした。
また血管力を高める生薬として、丹参(たんじん)製剤がハイライトを浴びていて、アメリカでも承認される見込みとのこと。従来の高血圧や頭痛、肩こりばかりでなく、美肌効果、糖尿病などの生活習慣病や、血液に関係する脳梗塞、心筋梗塞、認知症などへの効果も期待されるようで、注目の漢方薬です。【血管力をつけて健康美人になる】秘訣でもあるようです。
ご興味があれば、書店や amazon などで「正しくつきある漢方 2016」(週間朝日ムック)は、読み易く、内容が豊富なので、是非お薦めです。
次に登壇されたのは本場中医学の伝道師でもある陳志清中医学講師で、美と健康に役立つ3つのポイントをお話しされました。
女性の一生は、基本的に「7」年ごとに、体質の変化があるとされ(男性の場合は8年ごとに変化する)、心身ともにトラブルのない生活を過ごすためには、その時期に見合った体質の調整や養生法が必要であることを力説されました。
女性が美しく健康でいるためには、「養血(ようけつ)」「活血(かっけつ)」「補腎(ほじん)」が3つのポイントです。
女性には月経があるため、気血の働きが健康を左右するといっても過言ではありません。血液を作るためにも、血液を巡らせるためにも気が必要。
気そのものは血液に乗っかって、全身を巡るのです。
月経によって消耗される血液量は、一生で60~70㎏ほどになるのえ、補血することが女性の一生には欠かせませんね。
そして、ホルモン分泌や生命力に最もかかわりの深い腎を強化することが健康で過ごす秘訣でもあります。
女性が陥りやすい様々なトラブルの原因には、「血虚(血液の不足)」「瘀血(血液の汚れや滞り)」「腎虚(生殖器系をつかさどる腎の栄養不足)」のいずれかがあることが少なくありません。
女性の美と健康の維持にお勧めの生薬として、養血・美肌作用のある「当帰(とうき)」、止血作用のある「阿膠(あきょう)」、血流を良くする「丹参(たんじん)」、「川キュウ(せんきゅう)」、腎を補う「杜仲(とちゅう)」、「亀板(きばん)」「鹿茸(ろくじょう)」などがお勧めです。
睡眠・運動・食事のとり方を見つめなおし、美しく健康で年を重ねられるように、体質に合った養生法を取り入れていきましょう。