今年の5月に発表された WHO(世界保健機構)による世界の長寿番付第一位は、やはり日本で、男女合わせ 83.7 歳(女性は、86.8 歳)でした。世界の平均寿命は 71.4歳(女性は 73.8 歳)ですから、相当の差があります。ちなみに米国は、79.3 歳、中国は、76.1 歳、長寿世界二位は、スイスで、83.4歳です。
ただこれらの数字は、病院や施設のベッドで寝たきりの高齢者の数も入っており、医療(技術や保険制度を含む)を取り巻く環境が他の先進国に比べても整備されている日本では、長寿の数字に貢献?していることも大いに考えられます。
私たちの周りには、70歳に満たないのに、病院への出入りが多い人もいれば、90歳で、バリバリ、毎日10km 以上ジョギングしている人もいます。後者のような人ではなくても、健康長寿を目指すことが、中高年の目標になりますが、やはり基本は、毎日の生活習慣ではないでしょうか。
漢方薬(中医学)の最新の研究では、いくつかの生薬や処方で、血流を改善することで、生活習慣病を予防できる効果について報告があがっています。
例えば、丹参(たんじん)。この生薬には瘀血(おけつ)を取り除き、高血圧、肩こり、頭痛などへの影響があることが昔から言われていましたが、これらは血流の滞りをスムーズにする作用が解明されつつあり、これらの状態が改善されるようです。
この数年の横澤隆子元富山大学准教授グループの丹参や丹参製剤の研究では、これらの状態ばかりでなく、糖尿病や、メタボリック症候群、認知症、老化防止作用などにも効果があることが論文発表されています。
この老化防止の原因とされる指標の1つに、体内の「糖化(とうか)」物質がありますが、丹参には、この糖化物質を減少させる効果も検証され、血流の改善を促すことが、ひいては、認知症や老化をも防止することにつながることが分かってきたのです。
丹参製剤として、現在「冠元顆粒」が代表的ですが、現在も世界中の多くの研究機関で、認知症や老化防止(アンチエイジング)などへのさらなる効果が研究されています。