老化と共に発症しやすい耳鳴り。
現在10人に1人が経験していると言われています。
「耳鳴り」とは実際には音がしていないにもかかわらず、何かが聞こえる様に感じる現象を指します。35 歳ごろから増加し、65 ~ 74 歳をピークに以後減少します。
音の信号は、耳介⇒外耳道⇒鼓膜の順に伝わり、内耳の有毛細胞(およそ2万個の感覚細胞)によって電気信号に変換され脳に送られます。
ところが、この有毛細胞が破壊されたり倒れたりすることで、振動が上手くいかず、「耳鳴り」や「加齢難聴」となるのです。
【耳鳴りの原因】としては、
① 外因性(頭部損傷・騒音など)
② 内因性(中耳炎・耳管狭窄症・鼻炎・蓄膿症など)
③ 全身疾患(高血圧・動脈硬化・腎不全・糖尿病・うつ病など)
④ 急性耳鳴り(突発性難聴やメニエール病)
⑤ 非病気性耳鳴り(ストレス・睡眠不足・過労・二日酔いなど)
⑥ 航空性中耳炎・気圧性中耳炎(耳がボワ~ンとして痛くなる)
⑦ 薬物性耳鳴り(抗生物質・抗結核薬・抗がん剤・睡眠薬・抗うつ剤など)
が挙げられます。
【耳鳴りのメカニズム】
カタツムリ型の蝸牛という組織内の感覚細胞の倒れや脱落が入り口付近から始まり、だんだん奥へと進行していく場合、加齢による耳鳴りや難聴であることが多く、有毛細胞も一度破壊されると再生しないと言われています。
【気になる症状】
物事に集中できない、混乱してしまう、絶望的な気持ちになる、夜寝るときの妨げになる、日常生活が制限される、生活が楽しめない、仕事の妨げになる、イライラする、人間関係にストレスを感じる、疲れを感じる、落ち込んでしまう、体のことも心配になる、不安感が募るなどネガティブになりやすいのです。
耳鳴りとは楽しくつき合いましょう。
【たのしくつきあう8箇条】
① 叩く(耳の体操;鳴天鼓・耳透摩擦法)
② 飲む(体質に合う漢方薬や治療薬を飲む)
③ 心理(カウンセリング・座禅・ヨガ・腹式呼吸)
④ クヨクヨしない(耳鳴りに意識を集中しない)
⑤ 疲れ(ストレスや疲れを溜めない、お酒やたばこを控える)
⑥ 聞く(川のせせらぎや波の音など、静かで単調な音を BGM にする)
⑦ 明るく(ポジティブな考え方に転換する)
⑧ うつうつしない(おおらかな気分で規則正しい生活を送る)
などを心がけ、蝸牛の循環障害を改善させ、聴覚神経の働きを調整することが重要です。
気血の巡りを良くさせて、耳と深い関連のある腎を強化し、ストレスを溜めないようにリラックスする時間をもちましょう。