未来を癒す漢方レッスン 《冬の食養生》

投稿者: | 2015年10月28日

《今年は冬の到来が早く寒さが厳しい!!》

木枯らし1号が例年よりも早く吹いて空気も冷たく、冬の到来を感じますね。
立冬が11月8日ですから、今年の冬は早くやってくる!と言えるでしょう。
おまけに朝晩の寒さと日中の気温差が大きく、体調を崩す方も少なくありません。風邪やインフルエンザなどの感染症も流行することが予想されます。
秋冬に悪化しやすいアレルギー性鼻炎や喘息、空咳や皮膚粘膜の乾燥、潰瘍性大腸炎や痔など肺・大腸系に関わる疾病の症状緩和に時間を要するでしょう。
また、3月ごろからゲリラ豪雨や長雨などで日照不足傾向にあり、野菜や果物が不作であったことから、人間も少なからず陽気(からだを温めるエネルギー)不足傾向にあると考えられます。元来、冷え性や貧血傾向の方にとっては、寒さが身に堪え、厳しい冬となるため、今からの養生法が大切です。
もうすでに夏場に冷たい飲食を多く摂取した場合はなおさらです。
これから冬にかけて弱るのが腎・膀胱系です。腰痛・頻尿・膀胱炎・むくみ・耳のトラブルや骨にも影響がある時期なので、カルシウム分の多い食材や豆類・山芋・里芋・根菜類・魚介類・豚肉・黒色の食材の摂取を増やしましょう。塩辛いものを欲する場合も腎系の調整(主に補完)をするために体が本能的に求めているのです。但し、高血圧など持病のある場合は塩分摂取に気をつけましょう。そのほか、酸味や苦味も腎・膀胱系を助ける役割をしますが、甘み(特に白砂糖の入ったもの)は摂りすぎると腎に負担をかけますので注意が必要です。また、血管力を養い、老化を防ぐためにも蒸す、煮る、茹でる調理法を増やすと良いでしょう。野菜を多く摂取でき、肉・魚などのタンパク質やエキスを同時にとれる鍋料理は冬に出番が多くなりますが、体の心から温まりますし、これは理にかなった冬の食養生と言えます。食べ物の中には、寒冷性の邪気を追い払う作用や元気(活動するエネルギー)を養う作用をもつものがあります。
カボチャ・モチ米・クリ・クルミ・ネギ・ショウガ・ピーマン・ギンナン・黒糖などは温性なので冷え性タイプの方にはありがたい食材です。ニンニク・トウガラシ・ニラ・ラッキョウ・ワサビ・ニッキなどは熱性なので、ほどほどにうまく摂り入れると良いでしょう。但し呼吸器系のトラブル、空咳、胃炎、逆流性食道炎、潰瘍、秋冬に悪化する皮膚病は、アルコールや香辛料などを控えた方が賢明です。体の根っこを温める腎陽を補い、ヨガやストレッチなど体の中からポカポカになるような食養生&生活養生法で来るべき冬を乗り切る準備を始めましょう。