学術シンポジウム 2017 に参加してきました!

投稿者: | 2017年6月2日

毎年恒例の日本中医薬研究会学術シンポジウムに参加してきました。

青空拡がる快晴の東京・銀座フェニックスホールにて開催されました。今回は、不妊症の病院研修で訪れたことのある南京中医薬大学附属病院江蘇省中医医院の劉瀋林教授のご講演がありました。

当病院は、病床2500床が設置され、年間外来患者数は480万人に及び、1日約2万人が中国全土から診察に訪れる中国全土でもトップクラスの病院です。

実は私も12年前、この病院に研修に訪れた際に発熱し、帰路の飛行機に搭乗させてもらえないかもと脅され?人生初の点滴を受けました。

研修に行ったはずが、病院のVIPルームで点滴だなんて・・・・我ながら苦笑いです。

ホテルで静養しながらも、南京で初めて起きたという地震も体感しました。おそらく原因は、あまりにも美味しすぎた「スイカジュース」と「キュウリジュース」ではないか?と思っています。(笑)色も綺麗だったし・・・

その後も、研修へ行くたびに「勉強してきてくださいよ!」と言われる始末。今となっては、なかなかできない体験ができたと良い思い出です。当時の院長が劉教授でした。その節は大変お世話になりました~。

今回のテーマは、「脾と免疫」について。

これから日本も梅雨を迎えますが、この季節弱るのが「脾胃つまり胃腸系」です。日本は海に囲まれた島国ということもあり、梅雨時から夏にかけて高温多湿となり、脾胃に負担をかけてしまいます。

裏を返せば、脾胃を強化することで、日本人の大半が病気の予防や治療、養生法が確立できるということになります。自然界に湿気が多いということは、小宇宙と考えられる人体内にも影響が及ぶのは当然のこと。

さらには、海の幸である新鮮な魚を食する機会は多く、刺身やにぎり寿司などを好む方も少なくありません。また、ビールやジュースなど冷やした飲み物や生野菜を摂取する習慣も重なり、脾胃は弱りっぱなしです。「脾弱(ひよわ)」が日本人に多いのも頷けますね。

元々、脾胃は湿気を嫌い、カラっと乾燥した環境を好みます。蒸し暑い梅雨時から夏場にかけて食欲が低下し、夏バテしやすい原因はここにあります。

夏こそ冷たいものではなく、温かいものを積極的に摂取し、消化酵素を働きやすくして、胃腸機能を高めましょう

胃腸内に余分な水分や湿気がたまっている時の症状として、食欲不振、胃の中でチャポチャポと振水音がする、ゴロゴロと腸鳴がある、吐き気、むかつき、胃部不快感、下痢などが挙げられます。このような際には、極力水分摂取を控えて、温かいものを少量、よく噛んで食します。もし、食欲がわいてこない場合には、無理して食べることをせず、胃腸を休めてあげましょう。茹でたキャベツは胃腸に優しいので、塩・ポン酢・酢味噌などあっさり系の味付けで召し上がっていただくと宜しいかもしれませんね。

一方、「腸内フローラ」とか「腸管免疫」という言葉を意味にする機会も増えていますが、脾胃の運化作用が低下すると腸内フローラが乱れ、消化器系・代謝系の疾病に繋がることも予測されます。腸内フローラは善玉菌・悪玉菌・日和見菌が一定バランスを保つことで、健康な状態を維持しているとも言えます。

これらがバランスを崩すことで、糖尿病・肥満・便秘・アレルギー・自己免疫疾患・カンジダ症・ぜんそく・アトピー性皮膚炎・多発性硬化症・関節リウマチ患者・ニキビ・うつ病・自閉症・ADHD・ガン・アルツハイマー病などの発症にも繋がることが世界的な研究にて発表されています。

また、一般的にどんなに食べても太れないという方々は、やはり脾気虚の状態にあります。補気健脾することで食べたものを吸収して身につける体質づくりも大切です。

「腎が先天の本(もと)」であるのに対して、「脾は後天の本(もと)」です。両親から譲り受けた体質を改善するためにも「脾胃の調整」が不可欠ということでしょうか。

健康長寿を目指す方は、是非とも脾胃を強化して、腸内環境を健やかに保ちましょう

お勧めの漢方薬としては、健胃顆粒・健脾散顆粒・晶三仙・補中益気湯・附子理中湯・帰脾湯などが挙げられます。

日ごろから暴飲暴食は控え、ひと口30回以上噛むこと、夜8時以降の食事は控えましょう。

現代人は食べ過ぎの傾向にあると言われていますが、これがまさしく脾胃の機能低下を進めてしまいます。腹7・8分目で留める、お腹がグ~ッとなってから食事を摂る、冷飲食は控えるなど、脾胃機能に不安のある方は食養生に努めてみませんか?

もし、ご自分の胃腸の具合がよく分からないという場合は、お気軽に当店までご相談くださいね。今年こそ、バテない夏を謳歌しましょう。