逆流性食道炎 急増中!~未然に防ぐために~

投稿者: | 2015年11月25日

今年も忘年会シーズンがやってきました。一年の締めくくりとして皆でワイワイ騒ぎながら飲み食いすることを楽しみにしている方も少なくないでしょう。

ところが、一方で胃腸の具合を崩す方が多いのもこの時期です。

ここ数年、胃食道逆流症(GERD; Gastroesophageal Reflux Disease)すなわち通称「逆流性食道炎」が巷で急増中です。

最も顕著な症状は‟胸やけ”で、強い酸性の胃液が食物などと混ざり合い、開きやすくなった噴門(胃と食道の間にある)から食道に逆流して食道の粘膜を刺激することにより起こる症状です。

従来は欧米諸国での発症率が高いとされていましたが、日本でも食の欧米化や高齢化など脾胃に負担をかけるという環境から日本での罹患率も急増しているようです。主に過度のストレスや食べ過ぎにより生じやすいのが特徴です。慢性胃炎や胃潰瘍など胃の働きが弱まり食物が長時間とどまることで発症の引き金になり得ます。消化まで胃の中に7時間はとどまるという天ぷらやフライ、脂っこいもの、乳化剤や添加物てんこもりの加工食品などは尚更のこと消化不良など脾胃に負担をかけやすく、胃酸逆流が生じてしまいます。その他の症状として、のどから食道にかけての灼熱感やヒリヒリ感、鈍痛、閉塞感、咳などを伴う場合もあります。

中医学では「脾虚失運」といい、脾胃の食物を消化吸収する機能が低下した状態の際に発症しやすいと考えます。日頃から食後のもたれを感じる、お腹が空いていないのに食事をとる、一度にドカ食い・早食いする、夕食を遅い時間帯にとる、食生活が不規則な方々は、脾胃にかなりの負担を強いているので要注意です。

また「胃陰虚」の状態で食道や胃の粘膜に炎症があり赤くただれていることも考えられます。食習慣の中で、アルコールや激辛料理・香辛料、こってり系の料理を嗜好する方は、逆流性食道炎予備軍の可能性が高いと言えます。

強い酢を使った料理にもほどほどにしましょう。元々、噯気(げっぷ)や口内炎、舌炎などのトラブルをお持ちの方も注意が必要です。口腔内から胃に至るまでの消化器系のどこかに炎症と潤い不足があり、砂漠化していることもしばしばです。

生活習慣としては、交感神経優位型で、常に時間に追われて緊張を強いられ、せっかちなタイプに発症しやすい傾向があります。

たまには、非日常的に「ゆったり♪まったり♪」と過ごすなど、自身を解放できる時間をあえて設けることも必要でしょう。

中医学では、胃や食道粘膜の修復・炎症の抑制・胃陰の補充・自律神経の調整・ストレスの緩和などにより、比較的早い症状の回復が期待できます。ストレスの多いサラリーマンや不規則なライフスタイルの方でも気軽にお試しいただけるので好評を得ています。