昔からよく“風邪は万病のもと”と言い伝えられていますが、さらに現代では“瘀血は万病のもと”と考えられています。『瘀血(おけつ)』とは、生体細胞に対し活性化させる働きをもつどころか「活性酸素」を生み出して、血流を悪くしたり、様々な病気や症状を生み出す汚れた古い血液のことをいいます。
中医学では『瘀血』を体のトラブル発生のサインとみなします。
※『瘀血』が気になるあなた、簡単なチェックをしてみませんか?
私達の体内には、血液のみならず津液(体液などの総称)や気(生体エネルギー)が存在し循環しています。血液は、それ自身では流れる事ができずに、気のエネルギーによって体内を巡ることができるのです。また、気の充実度によっても血流に変化がみられます。その結果、内臓それぞれに及ぼす影響も様々です。
すなわち、“気”と“血”が体内に充実してバランスがとれていることが大事になってくるわけです。
このバランスが崩れて、血行障害が生じた状態のひとつが『瘀血』なのです。そのことからも、この『瘀血』こそが“万病のもと“になり得ると考えられます。人間は加齢と共に様々な臓器が衰えて障害が起こります。その中でも多いのが”血管の老化“による病気です。肩こりに始まり、高血圧、高脂血症、心臓血管障害、脳血管障害、悪性腫瘍、糖尿病、認知症など様々です。
これらの病気は、高齢になった際に突然起こるわけではなく、多くの場合若い時からの下積みがあっての生活習慣病としてあらわれるわけです。いわゆる『瘀血』が関与すると考えられる病気は400種にも及ぶと言われているので、いかに血液と血管の老化抑制が健康に寄与するか、はかり知れますよね。
一般的に血管というと、動脈や静脈など太い血管を思い浮かべると思いますが、この太い血管に異常が起こった際には、すでに周囲の毛細血管は詰まっている事が殆どです。脳や心臓に器質的な障害が出て手遅れにならないためにも毛細血管の血流と血液の質を良くして『瘀血』の改善を図ることが予防のカギとなるでしょう。
日本は世界でも有数の長寿国ですが、寝たきりにならず健康で長生きという観点からみると、まだまだ課題も山積みです。“健康で長寿”を全うするためには、若い時から綺麗な血液を体内に巡らせ“血管の老化”を防ぐことが最低必要条件になります。
老化や様々な病気の原因となる活性酸素を取り除き、寿命を伸ばす老化抑制を促進する医療システムが整ってはじめて、日本も本来目指すべき『健康長寿国』であると言えるでしょう。