師走を迎え、冬の訪れをあちらこちらに感じます。
枯葉が舞い散り、動物は冬眠に入る準備を始めるように、人間のからだも新陳代謝が低下する時期となりました。
ときめく春を元気に迎えるためにも冬の養生は欠かせません。冬のうちにデトックスを図り、英気を養いましょう。
【冬の養生法ポイント】
① 早寝遅起き(日の出より後の起床が理想的)
② 適度な運動と防寒対策による陽気の充足
③ 保湿滋陰および粘膜強化による乾燥対策
④ 腎(脳・耳・骨・腰・生殖機能・膀胱など)を健やかに保つ
⑤ 腎精・腎陽・腎陰を補い、腎エネルギーを蓄える
生命活動に関わる「精」を蔵する腎は、冬場の養生が最も必要とされます。
冬に起こりやすい腎のトラブルとして、
①腰・膝の痛み、②耳のトラブル、③記憶のトラブルなどが挙げられます。
すなわち、腎は腰・骨(骨髄)・脳(脳髄)・耳・生殖機能と深く関わっており、現代社会の過労・ストレス・不摂生などは、五臓六腑の機能その中でも特に臓腑の源である「腎」の機能と腎精を消耗させてしまいます。
【腎機能を強化・滋養する食材】として、黒豆・大豆・さやいんげんなどの豆類、長芋・大和芋・自然薯・じゃがいも・里芋などの芋類、カリフラワー・ブロッコリー・しいたけなどの野菜、ひじき・えび・ほたて・ひらめ・たこなどの魚介類、くるみ・栗・食用蟻・牛筋・豚筋・軟骨などを多用すると良いでしょう。
また1日のうちでも気温差が激しく、体調管理をすることも容易ではない冬季、体のバリアである衛気(えき)が弱っているタイプは、普段から冷え性で風邪もひきやすい傾向にあります。
皮膚の表面に流れているエネルギー(衛気)は、気候変動や気温差などから私達の身を護ってくれます。例えば、暖房している部屋から屋外へ出た時、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状が出るのは汗腺の開閉により体温調節をしている証拠で、衛気が充実していると寒冷からの刺激を受けにくいため風邪もひきにくくアレルギー症状もあまり発症しません。
また、冷え性の方にとって冬はとってもつらい季節。これは貧血でなくても、「血虚」(血液の絶対量が不足している状態)や「陽虚」(体を温めるエネルギーの不足)により、体を温めづらくなっているせいなのです。手足の冷えのみならず、頭痛・肩こり・月経痛などは女性にとっては悩みの種。『血は温めることを喜び、寒を嫌う』とは中医学の理論です。気温が下がり寒くなるだけで血液中の温度も下がりスムーズに体内に血を巡らすことができず血流も悪くなります。冬の薄着(ミニスカートなど)・冷飲食をすることで、瘀血(おけつ;血の滞り)を生じます。これが、月経痛や凝血(レバー状の経血)・下腹部の冷え・腰痛・月経不順、ひいては不妊症の原因にもなり得るのです。
血液循環不良により最もあらわれやすい症状が肩こりです。適度な運動で改善されるなら問題ないのですが、首筋から頭にまでこりが及ぶ場合は、将来に備えて血流改善対策をとり入れた方がいいでしょう。もちろん、冬は誰しも血流が悪くなりがちです。最近では、入浴というと、湯船に入らずシャワーで済ませるという方も増えているようですが、特に問題のある疾患がない限りは 38 ~ 40 ℃ 程度での入浴(半身浴)でカラダの芯まで温めていただきたいと思います。
食べ物に関して、【冷え性・月経不順・無月経・不妊症】には、小松菜・ほうれん草などの野菜、うなぎ・あなご・すっぽん・魚の浮袋・牛肉・烏骨鶏卵・鶏卵などのタンパク質、クコの実・桑の実などを【肩こり・高血圧・脳血管疾患・狭心症】には、血流改善の食材として、玉ねぎ・しょうが・黒きくらげ・青背魚(いわし・さんま・さば・あじ・まぐろ・かつお・ぶり)などの旨味をたっぷりしみ込ませた鍋料理が、冷えた体をカラダの芯から温めてくれることでしょう。冷え性の方は、ビールよりも日本酒を摂るようにすると冷えの症状も緩和するかも知れませんね。
こころも体もホットな冬をお過ごしください。