気温が下がり乾燥しやすいこの時期、風邪やインフルエンザなどの感染症の他、増える疾病として胃腸疾患があります。
新年を迎えての会合シーズンでもあり、普段とは違った食習慣・生活習慣に陥りがちです。おまけに気温が下がり免疫力が低下すると、ノロウイルスをはじめ感染症の発症頻度も高まります。
人ごみの中へ行く際や集団生活をする場合は、うがい・手洗いの励行・マスクの着用を習慣化させ、ご自宅でも板藍根(ばんらんこん:漢方の抗生物質とも称される)の利用をお勧めします。
板藍根(ばんらんこん)はアブラナ科の植物でホソバタイセイの根です。抗菌・抗ウイルス・解熱・解毒作用に優れた生薬で副作用も少ないことから、中国の漢方医の間では、ウイルス性肝炎や耳下腺炎・扁桃腺炎・帯状疱疹などの治療に幅広く用いています。日本でも、飲みやすいお茶タイプやのど飴としても流通しているので、感染症の流行時期は特にお勧めです。
元々、食後の胃もたれや消化不良、食欲不振、噯気(げっぷ)、胸やけ、胃酸過多、慢性胃炎、逆流性食道炎、口内炎、下痢など消化器系のトラブルに心当たりのある方は要注意です。
冬場でも冷たいビールやジュース、刺身などの生ものは、宴会やパーティーには欠かせないのが風習です。
まず、脾胃の働きは口から入った食物や飲料水を消化分解させるところから始まります。そもそも胃内に分泌される消化酵素は体温と同程度の温度になって初めて活性化するのですが、私たちが口にするものの温度は冷蔵庫もしくは冷凍庫で冷やしたものが少なくないのが現実です。もちろん、アツアツ過ぎるものも胃や咽喉の粘膜を傷めるので注意が必要ですが、胃内に摂り込まれたものを体温によって30℃以上上げないと胃腸本来の働きに支障が出ると言っても過言ではないのです。
食中毒は別としても、冷たいものを食べてお腹が痛くなったり、下痢をしたり、吐き気を催すのも、胃腸からのシグナルだと思い起こしてしてほしいのです。
体を冷やす食材(白砂糖を含む食品・乳製品・コーヒー・夏野菜)は極力控え、体を温める食材(黒糖・ネギ・ショウガ・シナモン・カボチャ・ヤマイモ・クリ・クルミ・紅茶・ほうじ茶など)を摂り入れるようにしましょう。
また、年末年始に追い込みの仕事や新しい企画などで緊張感の持続を強いられ疲労が蓄積しているこの時期は、ストレスにも弱く、胃腸も悲鳴をあげがちです。ストレスにより一晩で胃潰瘍になることも珍しいことではありません。神の手をもつと言われているスーパードクター福島先生も「過労死というものはなく、ストレス死であることが多い」と仰っているように、いかにストレスをかわし、発散できるかが健康の秘訣になりそうです。
「風邪は万病の元」「瘀血は万病の元」と言われますが、それらを生み出すものが「冷えとストレス」であることも忘れないように日々の生活や食事に気を配りましょう。