日本人なら、ほとんどの方が経験している不快な症状が肩こりとストレス病です。肩こりとストレス病は私達の健康を脅かす苦痛な2大症状です。
いずれも“瘀血(おけつ)”と密接な関わりがあります。体の老廃物が多く肩こりやストレスのある場合、粘度の高い血液いわゆるサラサラではない血液がカラダの中を巡っている事が予想されます。
特に肩こりは日本の国民病とも言われ、他国では“肩こり”という症状がありません。ちなみに統計によると、肩こりの発生率は男性の場合 44.6 %、女性の場合ほぼ 100 % を占めると言われています。
日本人の生活習慣と環境に原因があると考えられます。几帳面で真面目な国民性、海に囲まれて湿度の高い環境、食習慣のアンバランス、運動不足などが挙げられます。
ストレスが私達のカラダに及ぼす影響は、神経系・内分泌系・免疫系など多岐に渡ります。
例えば過度の緊張が続くと、交感神経が優位になり、血中のアドレナリンやノルアドレナリン・ドーパミン濃度が上昇して末梢血管の収縮が起こります。すると、末梢循環が悪くなり肩こりやしびれ、冷えなどが生じるわけです。
また、内分泌系ではホルモン分泌が高まり、タンパク質とグリコーゲンが増加します。このようにエネルギーを蓄積することでストレスへの対応にあたります。
さらには、ストレスを受け続けることにより、タンパク質や糖・ビタミン・ミネラル・脂肪などの消耗が激しくなり、血中の副腎皮質ホルモンが増えます。その為、カラダの免疫機能が阻害され抵抗力も低下します。ストレスを受けると風邪をひきやすくなったり、慢性疲労が続くのもこの影響が大きいでしょう。
1番のストレス解消法として、小さな事にこだわらず、のびのびとプラス思考で過ごすこと。そして、欲をもち過ぎず、十分な睡眠とバランスの良い栄養をとることが大切です。
ストレスを受けて気分がさえないと気の流れが滞り、血液の流れも悪くなります。また、肉食が多く野菜が少ない食生活は血液が汚れやすくなり活性酸素が蓄積されます。過労や睡眠不足は気血の消耗が激しく“瘀血”を引き起こす原因にもなり得ます。良質の血液を蓄えながら浄化し、カラダの隅々まで滞りなく巡らせることが国民病でもある“肩こり”を改善し、ストレスにも打ち勝つ強い心身を作り上げると言っても過言ではないでしょう。